なにわもお江戸も夢のまた夢

日々の思いを自由に書き綴っていこうと思います。

東京オリンピックの開会式を見て

東京オリンピックの開会式があった。実際の競技は開会式の前から始まるというのは知っていたが、サッカーくらいだと思っていたらソフトボールも始まっている。

 

さて、その開会式だが賛否両論はあるだろうが、変にごちゃごちゃしていなくて、自分的には好感を持った。最近のオリンピックは選手の入場行進が始まるまでに1時間以上は掛かるのに、今回は30分くらいだったのではないだろうか?コロナ禍や演出者のトラブルで簡素化せざるを得なかったのは、ケガの功名だったのかもしれない。

 

目を引いたのが、行進曲がゲーム音楽だったこと。今の日本発信で一番世界に有名なのはゲームなので、海外でも結構うけたようだ。

 

あとは、選手の入場順が日本語の50音順だったこと。別のIOCの規定にはないが、東京、札幌、長野、バルセロナ以外はすべて開催国の言語のアルファベット(というか、その言語で使われている辞書の順番)で行進順が決まっていたようだ。

 

なぜ、日本は英語順だったのだろうか?1964年の東京と1972年の札幌は韓国と北朝鮮の呼称問題で揉めたからだと記憶している。英語だと「KOREA」だが、日本語だと「韓国」「朝鮮」と使い分けることになるのが、当時は色々と揉めたようで、それを回避するために英語表記のアルファベットで入場順を決めたようだ。実際には、1964年は北朝鮮インドネシアとともに開会式前日に出場を辞退した。新興国競技大会に出場したことに対して国際陸連が参加を認めなかったからだ。だから、1964年は結果的にはこの朝鮮半島の2国の国名問題は回避できたのかもしれないのだが、準備の段階では日本語表記での入場順を避けたのは仕方が無かった。

 

1972年の札幌では、一切日本語を使わなかった(テレビや新聞ではもちろん韓国とか北朝鮮とか表記したが、組織委員会の公式表記ではすべて英語のみであった)韓国はKOREA、北朝鮮はD.P.R.KOREAだった。Youtubeで当時の札幌オリンピックの画像をみると国名プラカードに全く日本語がないのがわかる。(1964年の東京オリンピックはプラカードには日本語が併記されている)

 

今回の東京オリンピックにもし北朝鮮が参加していたら、「チ」のところで「朝鮮民主主義人民共和国」で行進していただろう。今は、韓国も北朝鮮も国連加盟国なので、国連での名称を使えば問題は起きない。ピョンチャンオリンピックでも「朝鮮民主主義人民共和国」で参加している。

 

ところで、1991年に韓国と北朝鮮は同時に国連に加盟しているので、1998年の長野オリンピックは日本語表の50音順での入場行進も可能だったのだが、この時も英語のアルファベット順で入場順を決めたのはなぜだろうか?これは、アメリカの放送局への配慮だったのかもしれない?

 

あと、日本選手の氏名表記が、姓名の順番で表記され、英語やフランス語のアナウンスでも姓名の順番で紹介されている。中国、韓国、北朝鮮ベトナムなど東アジアの国では姓名の順番で名前を付けられているのに、日本だけが明治以来の慣習で、西欧風に名姓の順番にひっくり返していたのは、考えればそれはおかしなことだ。

 

世界の多様性を尊重するという考え方モアって、今回変えたのだろうが、表彰式でメダルのプレゼンターをやっているレジェンドの日本人は以前のままの名姓の順番なのはなぜなんだろうか?

 

いろいろとコロナ禍の影響以外にもいろいろと変化を感じたオリンピックだが、本当はもっとVRやICTを駆使した情報発信ができていれば良かったのだが・・・、おじ(い)さん、おば(あ)さんが多い組織委員会ではこれは難しかったのだろう。